『椿さん十浪』など
今日のブログのタイトルはもちろん、あの名作映画の題名のパロディー。わたしが考えたものでなく、きりえ画家などとしてご活躍の高木亮先生の作。
その先生の個展、JR立川駅近くのオリオン書房ノルテ店で開催中の「きりえや書皮展5・偽映画原作本集成」を観に行く。
会場は、書籍販売部分に併設した区画に喫茶スペースと展示スペースが同居しており、落ち着いた雰囲気。
ここに、前述のごときパロディー作品がずらり。さらに、これまで先生が手がけられたカレンダーやカルタなども並べられている。
その中でも印象的だったのは、小さい猫"ユメ"と大きな犬"バルーン"が登場するシリーズ。平たい紙を切っただけの絵のはずなのに、奥行きが見事に表現されている。
それについて質問してみると、切り絵では空気遠近法などが使えないので、パースで奥行きを表現するよう工夫されているとのこと。それも、正確なパースよりは、ハッタリの効いた感じの方が効果的だとか。
ちなみに、空気遠近法とは、奥行きを表現する技法の一つ。空気中では遠くにある物ほどより厚い空気のフィルタを通して見ることになるため、それ自体の色は次第に薄れ、空気層の色が重なることになる。ルネサンス時代に盛んに研究され、有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」の背景に用いられていることで知られる。もちろん、現在のCG技術にも応用されている。
話を戻して、一方のパロディー作品の方は、月刊誌「新潮45」で扉絵(表紙をめくった次のページ)とダブル連載とのこと。好きな作品の人気投票も行われていたので、一票を投じる。選んだのは、『隠し砦の300人』。うーん、これは、暑苦しそうだ(^_^;
この展示は、6月4日(月曜日)まで開催中。期間中、先生ご自身によるきりえ実演もアリ。詳しくは、「きりえや Web Site」で。
| 固定リンク
コメント